近年の動物医療の発展により平均寿命が延び、高齢のワンちゃん、ネコちゃんも多くなってきました。
それに伴い動物たちのデンタルケアの需要も高まり、今では2020運動(20歳までに20本の歯を残す)というデンタルケアの重要性を説く動きもあるほどです。また、1年に1回の歯石除去で死亡リスクが20%低下するといった研究成果も出ているようです。口腔内の健康と全身状態はそれほど深く結びついているのです。
歯周病が進行すると、口腔内の問題だけではなく、口腔内の菌が全身に回り、心臓病や肺炎、腎臓病を引き起こすと言われています。全身状態の為にも、歯周病が重度になる前の歯石除去をお勧めしています。
寿命が伸びてきている動物たちにとって、若い頃からの歯科処置は非常に重要です。
などのお悩みがあれば、一度相談だけでもお越しください
歯石除去前
歯石除去後
近年は室内で動物を飼育することが増えましたが、それに伴い口臭や口のトラブルが気になる機会は増えています。今や3歳以上の犬の8割ほどは歯周病とも言われており、お口・歯のトラブルは当院でもご来院いただくことが非常に増えています。
重度な歯周病菌は口腔内のみならず、全身に巡ることで口腔以外の部位で疾患を引き起こす可能性も指摘されています。動物の健康寿命を伸ばすためにも、気になった時には早めの受診をお勧めします。
津田先生が院長を務められている動物病院
日野どうぶつ病院毎月 第3水曜日(詳細はトップページの「INFORMATION」をご覧ください)
ご予約を承ります。
お電話にてご連絡ください。
電話:092-738-3131
歯科専門外来の診察料:8,000円+処置・検査・薬代
※処置の金額に関しては、口腔内の状況によって変わってきます(どんな処置をするのか、何の検査が必要か等)
まずは口腔内を診させていただいてご提示出来ればと思います。
1.診察
完全予約制ですので、お電話にてご予約下さい。
まずは診察で口腔内の環境がどんな状態なのか診させていただきます。
そのうえで必要な処置、検査、費用をご提案します。
処置をした方がいいのか?どんな処置になるのか?等
気になる方は一度診察/相談だけでもご来院ください。
2.術前検査
血液検査、胸部X線検査、心電図検査を実施。
麻酔をかけても問題ない体調なのかどうかを調べます
※体調や既往歴次第で追加検査することもあります
3.処置
まずは麻酔下で口腔内の状況をしっかり観察します。
歯科X線などの検査を実施し、必要であれば抜歯の処置が加わります。
症状次第でCT検査が加わる事もあります
最後は歯石除去を行い、歯をしっかり綺麗にして終了です。
4.お迎え・処置後のデンタルケアの指導
キレイになって終わりではありません。むしろここからがスタートです。
自宅でのデンタルケアをしなければ数年で元通り。そうならないように自宅でのデンタルケアをしっかり行っていただきます
歯石除去は超音波スケーラーという機械で行いますが、処置中は痛みを伴います。
動物達は口を開けて待ってくれるわけではないので、麻酔をかけ、眠っている間に処置を終わらせてしまった方が苦痛は少ないのです。
また、麻酔下であれば歯科レントゲンで、歯槽骨の状態を確認できます。
一見キレイに見える歯もレントゲンを撮ってみれば根っこが溶けていたということもあるので、
歯石除去の際は歯科レントゲンも撮影した方が歯の状態を詳細に見ることができます。
無麻酔でできませんか?というお声もありますが、
無麻酔だと一番大事な歯と歯茎の間(歯周ポケット)の歯石/歯垢の除去が出来ないため、
表面的な綺麗さしか得られません。また、動物を押さえて口を開け、器具を口に入れるというのは動物の負担になるほか、
処置の際の恐怖心により口を触ることを嫌がるようになり、お家でのデンタルケアが困難になる可能性もあります。
麻酔をかける前は術前検査を行い、麻酔が可能かどうかを判断します。
犬の歯周病は早い子では3才頃から始まります。歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けていきます。歯周病は歯周ポケットに細菌が繁殖する感染症で、進行すると歯根部の深いところにまで炎症・感染が拡がります。歯がグラつき、痛みの原因になるばかりか、鼻水やくしゃみ、頬の腫れなどの症状が出てきます。最悪、病的骨折という事態に陥ることもあります。
抜歯をせざるを得ない状況になる前に歯石除去をして口腔内の環境を整えることが重要になります。
歯周病が進むと骨が溶けて歯肉が後退するので、歯石を取ると歯の根っこがこんなに見えてしまいます
歯の根元の周りに海が溜まって周囲の組織が壊れてしまった状態です
進行すると瘻管ができ、皮膚に瘻孔(膿がでてくる穴が開く)ができ、膿が出てきます
犬では上顎でおこりやすく、よく眼の下が腫れたり、膿が出てくるなどの症状が見られます
主な原因は破折等による歯髄炎や歯周病の悪化です
原因となっている歯の治療をしないと根本的な解決にはなりません
根尖膿瘍が原因で、瘻管が歯根部から鼻腔へ繋がるとくしゃみ・鼻水(あおっぱな)・鼻血が出ることがあります。
こちらも原因となっている歯の治療をしないと根本的な解決にはなりません
猫に多く見られ、流延、食欲不振、歯ぎしりなどの症状が診られます
原因は細菌/ウイルス/その他口腔内の免疫を刺激する様々な要因が考えられますが、確実な原因は特定されていません
外科療法/内科療法の中から症状の程度に合わせて治療法を選択します
犬にもまれに見られ、口腔内の歯垢の中の細菌に過剰反応を起こし、潰瘍性の口内炎ができてしまう事があります
歯の生え変わりの時期が過ぎても乳歯が残っている場合があり、これを乳歯遺残と言います
猫ではほとんど診られませんが、犬では小型犬に多く、特に犬歯や切歯が残ることが多いです
乳歯と永久歯が同時にみられる場合や、乳歯によって永久歯の生えてくる位置に異常が起こると噛み合わせが悪くなり歯石や歯垢の付着が酷くなってしまいます
固いものを噛んだり、事故などの外傷により歯が折れる事です
歯が折れて神経が露出していた場合、そこから細菌が感染し歯髄炎を起こします
また、神経が露出した状態ではかなりの痛みを伴います
歯髄が露出していた場合は歯内療法や抜歯などの処置を行います
症状が必ずしも歯から来ているとは限りません
口腔内の腫瘤(できもの)のため、口臭や痛みや流延、食欲不振が見られることもあります
炎症性のものや腫瘍によるものがあります
どちらか判断するには麻酔下での処置や検査が必須となって来ます
麻酔下であれば口の中の状態はよく観察出来ますので、口腔内腫瘍の早期発見に有用です
まずは歯科ユニットを用いて歯石の除去を行います(スケーリング)
そのあとに歯周縁下の歯石/歯垢を除去します(ルートプレーニング)
最後に研磨し、歯の表面を磨きます(ポリッシング)
必要があれば、抜歯やその他検査も行っていきます
プローブという器具を使って歯周ポケットの深さを計ります
深ければ深いほど歯周病は進行しています
歯槽骨の状態を見ます
歯周病が進行すると、歯の周りの骨が溶けてきて、歯が動揺したり、抜けたりします
見た目はキレイでも、レントゲンで見ると根っこが溶けていた、ということは少なくありません
今の歯の健康状態を把握するために有用です
鼻腔内の状態や、咽頭等の評価に有用です
鼻水やくしゃみがひどいときは、歯が原因で鼻の方に瘻管を形成することがあります
しかし、鼻腔内に腫瘍が隠れていても同様の症状が出ることがあります
どちらか判断するために、CT検査まで実施することがあります
何らかの要因で歯の神経が失活してしまった場合(破折など)、抜歯するのではなく
歯を残すために行う治療です
当院では歯科の専門獣医師が月に一度診療を行うため、その時に行います
お話だけでも聞きたい、というご家族の方は一度お問い合わせ下さい
多くの場合、ご家族様は歯を抜く事に対しての抵抗が少なからずあります。
歯を抜いてごはんが食べられるのか?等の心配な点もあるかと思います。
結論から言うと、歯を抜いたからごはんが食べられなくなるということはありません。
むしろ悪い歯を抜いて痛みや不快感が無くなり、食べやすくなります。
歯科処置=歯を抜くというイメージが強いですが、あくまで歯を抜くのは最終手段です。
また、当院では月に一度歯科専門の獣医師による診察/処置を行っており、
より専門的で的確な治療をご提示することができます。
歯の状態にもよりますが、抜歯せずに歯を温存する方法もあります。
(重度な歯周病により歯槽骨が溶けてしまっている様な歯は難しいです)
方法のひとつに、根管治療というものがあります。
根管治療というのは、折れてしまった歯や、失活した歯を保存するための治療法です。
大きく歯が折れると露髄(歯髄が見えてしまう)してしまい、そこから口腔内の菌が侵入して感染を起こしてしまいます。
感染は歯髄だけにとどまらず象牙質まで到達し、最終的には歯槽骨を溶かします。
もちろん痛みも伴いますし、最悪抜歯を余儀なくされる場合もあります。
根管治療は、感染を起こした歯髄と象牙質をファイルと呼ばれる細いやすりのようなもので取り除き、
そこにバイオセラミックやガッタパーチャを入れて閉じ、レジンでエナメル質の部分を修復して終了となります。
人間の根管治療は、この工程を何度かに分けて行いますが、動物はどうしても全身麻酔下で行う処置になる為一度にしてしまわないといけません。
1本の歯の根管治療には 3 時間ほどかかりますが(歯科レントゲンや歯石除去なども含め)、歯を残すために必要な工程となります。
その後は半年に1回、麻酔下で歯科レントゲンを行い、経過を見ていきます。(術後2年まで)
ファイル挿入
ガッタパーチャ挿入
割れた歯
根管治療後
根管治療後の歯科レントゲン
歯周病が進行し口腔内の環境が悪くなると、どうしても抜歯する歯は多くなってしまいます。
高齢であればある程、歯周病は重度である場合がほとんどです
麻酔に抵抗のある飼い主さんは少なくないですが、麻酔のリスクの比較的少ない若い頃から歯石除去を行うことが、歯を残してあげる事に繋がると思います(もちろん日頃の歯磨きも大事になります!)
早期検査・早期治療はメリットがたくさんあります。お悩みの際はぜひお気軽にご相談ください。
A:歯石除去の際は必ず全身麻酔をします。場合によっては1泊入院となることもあります。
A:むしろ高齢の子で実施する方が多いです。高齢になるにつれ歯周病は重度になり、鼻水、くしゃみ、顔の腫れ、食欲低下等の様々な症状が出始めます。15歳になってもする子はいますので高齢なので出来ないという事はありません。
A:麻酔前には必ず血液検査、レントゲン等の術前検査を行います。
麻酔をかけても問題ない健康状態なのか、チェックをしっかりとさせていただいてから処置に臨みます。
A:ワンちゃんは歯が無くてもご飯は食べられます。
その代わり、抜歯後はふやかしたご飯や小粒のご飯でケアしてあげましょう。悪い歯を抜いた方が痛みや不快感が無くなり食べやすくなります。
A:口腔内の状態によって,行う処置や検査は違ってきます
診察をしないとはっきりと申し上げられません。
だいたいの金額だけでも知りたいという方は一度お電話でお問い合わせ下さい